内外の動き
号 番 年月日 タ イ ト ル (国際) ・ (国内)
110号 22.4.1    (国際)  剣が峰の安保改定50周年  (国内) 「連隊長の訓示」で処分 
109号 22.1.1    (国際)  中国の軍事戦略       (国内) 友愛外交への懸念 
108号 21.1010    (国際)  核兵器廃絶演説       (国内) 民主党政権の誕生 
107号 21.7.1    (国際)  北朝鮮の核実験        (国内) 海賊対処法の成立  
106号 21.4.1    (国際) 黒人大統領の就任       (国内) 海賊対処に護衛艦派遣
105号 21.1.1    (国際) 6カ国協議             (国内) 多層協調的安全保障政策
104号 20.10.1    (国際) グルジア紛争と教訓      (国内) 勇気ある安保懇報告
103号 20.7.1    (国際) 中国の軍事力増強       (国内) 理解に苦しむ違憲判決 
102号 20.4.1    (国際) 歴史の共同研究         (国内) 外国人参政権問題
101号 20.1.1    (国際) ISAF(国際治安支援部隊)   (国内) 「集団自決」記述修正問題
100 19.1023    (国際) 新アーミテージ・レポート    (国内) 国益に叶う最高裁判決
99号 19.7.23    (国際) 日豪安保協議の持つ意義   (国内) 求められる政治決断2題
98号 19. 4.23    (国際) 中国の対衛星ミサイル      (国内) 日本の宇宙開発
97号 19. 1.19    (国際) PSI構想              (国内) 核議論と「核の傘」
96号 18.10.23    (国際) 東アジア共同体構想      (国内) 日本版NSC
95号 18. 7.23    (国際) 注目される「上海協力機構」  (国内) 変わる自衛隊
110号 22.4.1 (国際) 剣が峰の安保改定50周年         (国内) 民主党政権の誕生


                                   〔国際〕

                        剣が峰の安保改定50周年

日米安全保障条約は1月19日、改正署名から50周年を迎えた。これを記念して自民党政権時代から首脳の共同声明や同盟の一層の深化のための日米賢人会議の開催などが計画されてきた。

ところが、鳩山政権は普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設を反故にする一方で、1ヶ月ルールを破ってまで中国副主席の天皇会見を実現し、民主党幹部からは日米中関係は三角形など米国軽視・中国寄りとも見られる行動や発言が目立った。

また、学術的観点からは兎も角も、同盟関係にある両国にとって政治的観点からは疑問なしとしない核密約調査などを進めてきた。結果の発表は第3国に利益をもたらすばかりでなく、当事国の安全にも重大な影響を及ぼし、一朝にして信頼関係を崩壊させないとも限らない。現に、オバマ政権に影響力を持っているといわれる長老政治家からは「米国の忍耐に限界」など、警告とも取れる重大な発言も聞こえてくる。

こうした状況から一時は共同声明の発表さえ危ぶまれた。しかし、米国にはアフガニスタン問題やハイチ地震、デルタ航空機爆破テロ未遂事件などがあり日本問題にばかりにかかわっておられない。他方で同盟関係がアジア・太平洋地域の平和と安定に貢献しているという観点から双方の外務・防衛担当閣僚の共同声明として発表された。

インド洋での給油支援ばかりでなく、アフリカ開発支援やハイチ地震復興支援などでも、軍事力の増大を背景に中国は政治・外交的な影響力の拡大に邁進している。一方、米国の台湾へのPAC‐3売却や中国のグーグルへの検閲要求などで、米中は険悪になっている。

こうした中で、自由と民主主義の価値観を共有する日米関係が安定することをアジア・太平洋の諸国は期待している。6月の条約発効50周年までには、同盟の深化策が打ち出されることを望みたい。(S)

                                   [国内]
                          「連隊長の訓示」で処分

 普段に隊員を教育・訓練する責任を有する自衛隊幹部は、練度向上を目指す場合、「言葉や信頼だけでなく、実践あるのみ」という趣旨の訓示をしばしば行う。今回の連隊長の訓示には両国を背負っていくのは俺たちだという決意さえ読み取れる。

今日の日米関係は政治・外交・経済の不安定な関係を、辛うじて軍事的な紐帯がつなぎとめていると言っても過言ではない。多くの国民が自衛隊の活動を理解し、支援し始めているとはいえ、日米の強い絆をもたらしているものが正しく命を賭してのイランにおける復興支援活動やインド洋における補給支援活動、或いは今次のような普段の日米共同訓練の結果であることまでは理解していないかもしれない。

 処分の引き金になった「信頼してくれなどという言葉だけ云々」は、このように身命を賭して国民の負託に応えようとしている自衛官にとっては訓練の成果をあげるための常套語になっていたとも言える。

インターネット上では、大臣に批判的な言動をした佐藤参院議員が式典で紹介されなかったことや、田母神氏が統幕学校の卒業式に招待を受けながら参加できないようにさせられたなどが見される。産経新聞(3月4日)報道のように、「防衛省が圧力?」をかけているとすれば、漸く国民の支持を得てきた自衛隊に逆効果をもたらす由々しき事態ではないだろうか。

 国際平和協力など活動分野が広がる一方で予算と人員が削減され、一層の精強化が求められる自衛隊である。シビリアンコントロールの名の下に言論統制(まが)いのことが頻発し、自衛隊を萎縮させることになれば自衛隊弱体化、任務遂行を困難にするのではないか。

多くの識者が、イデオロギーによる拘束や強制的な画一化、政党による政府の支配などを挙げて、民主党政権の全体主義的傾向を指摘している。今回の事案はその表れではないだろうか。(M)

                            

109号 21.4.1 (国際)  核兵器廃絶演説        (国内) 民主党政権の誕生


                                   〔国際〕

                           中国の軍事戦略

 中国は21年間に亘って国防予算2桁の伸び率で、2008年の国防予算は4178億元(約5兆6400億円―これだけでも日本の防衛費4兆7426億円を上回る)と公表した。しかし、新兵器の開発や外国からの兵器購入は別予算といわれ、米欧の国防当局や研究機関はその2〜3倍が実態であると見ている。驚異的な軍拡であり、日米欧は透明性を高めるように求めてきたが、ベールに包まれたままである。

中国が昨年公表した国防白書(2年ぶり6回目)によると、3段階で軍事力の近代化を目指すとしている。第1段階の終了が今年(因みに、第2段階は2020年、第3段階を今世紀の半ば)で、近代化の基礎固めを終わることになっている。

それを象徴するかのように、昨年10月の建国60年を祝う軍事パレードには米国東部まで到達できる戦略ミサイルを登場させ、4月には青島沖で国際観艦式を実施して世界の耳目を集めた。その数ヶ月前には空母建造を公表、2016年までに2隻を完成させ、改修終えた旧ソ連製空母ワリャーグと共に3隻の運用態勢を確立するとしている。

国防部報道官は会見で「空母は国家の総合力の体現で、領海主権と沿岸部の権益を守ることは中国軍の神聖な職責」と強調したし、ある軍事戦略家は「実力をもって発展権を守る」という国家観を披瀝し、太平洋二分論が架空物語ではないようである。

海洋への進出を図り、宇宙・電磁空間の安全を強化して国家間戦争以外のテロなどへの対処能力を高め、局地戦争への抑止力や戦闘能力の強化で国際的な軍事協力行動や信頼醸成措置に参加するとしているが、軍事力を背景にした発言力の強化が見られる。

20世紀は日米英等の建艦競争で開けたが、21世紀は米中、中印等の建艦競争で推移する様相である。

                                   [国内]
                          友愛外交への懸念

 鳩山首相は国連総会における演説で、国際社会に「友愛」外交で対処することを提唱した。どの国も、こうした場では国益を毀損しないように留意し、自国を縛るような演説はしないので異例に思われた。

「他国が欲しないことはしない」、「相手を傷つけるようなことはしない」というような自己規制は一種の公約となって、CO2削減25%と同様に、領土問題やガス田開発問題などにおいても、日本に重く伸し掛かってくること必定である。

相手を刺激するような防衛費などは問答無用に「削減ありき」とならざるを得ず、周辺諸国との軍事力格差は一段と大きくなるだろうし、外国人への地方参政権付与なども理の当然に持ち上がってこよう。

首相の頭には、主導性発揮で国際社会における日本の浮揚という考えがあるのかもしれない。しかし、容易に分かるように、そうした国家は米露中のような大国、目に見える形の貢献をする英独、フランスのような文化国家、或いは我の強い北朝鮮のような国であろうし、背景にはしっかりした軍事力を持っている。国際社会の目から見ると、日本はいずれにも該当しない(軍事では防衛費の対GND比率は主要国の概略1/4~1/10、予備隊員の対人口・現役隊員比率は1/10~1/20でしかない)。

勿論「友愛」外交に賛成派がいないではないが、概ねが過剰な期待=A甘え=A国益無視=A国際社会の現実に無知≠ネどの評が多く、「自己を失った期待過剰外交で迷妄を脱して出直すがよい」(芳賀(やすし)東工大名誉教授)ということになる。

 歴史を顧みても、理想主義のウイルソニアン外交は失敗し、国際社会の有力国はバランス・オブ・パワー(勢力均衡)の外交路線が勝利してきた。力の空白が紛争や戦争をもたらすという歴史に学んだものである。

 いま尤も懸念されているのが「友愛」外交による日米同盟の希薄化とその反作用としての米中の接近である。

        

108号 21.4.1 (国際)  核兵器廃絶演説        (国内) 民主党政権の誕生


                                   〔国際〕

                           核兵器廃絶演説
 
 オバマ米国大統領が4月5日、プラハで「核兵器を使用した唯一の保有国」としての道義的責任から、「核兵器のない世界の平和と安全保障を追求していく」と明言した。

 目標に至る道筋は@核軍縮 A核不拡散体制の強化 B核テロ防止の3本柱からなっている。

 核兵器廃絶を訴えたのは、オバマ大統領が初めてではない。最も有名なのは原爆製造を米国大統領に進言し、異常は破壊力に恐れをなし、他方で核開発競争の激化を憂慮した哲学者バートランド・ラッセル卿と科学者アインシュタインによって提唱され、1957年から開催されているパグウォッシュ会議である。

 近年、世界の政治や経済、軍事などの有識者が核廃絶を訴える世界規模の運動「グローバルゼロ」の創設会議がパリで開かれ、核兵器廃絶の機運を盛り上げる新たな動きが出ている。今後は、世界各地で核廃絶を訴えるイベントを開き、来年1月に「グローバルゼロ世界サミット」を開催する動きがある。

 グローバルゼロが21カ国で行った世論調査の結果、完全廃止への支持は仏86%、中83%、英81%、米77%、露69%と高かった。また、昨年の国連総会本会議では、日本提出の核兵器廃絶に向けた決議案に過去最多の173カ国が賛成した。

こうした動きも視野に入れたオバマ大統領演説である。演説でも核廃絶はすぐに到達できる目標ではないし、恐らく自分の生きている間には出来ないだろうとも言う。そのため、核抑止力は当面維持すると言明する。

 日本は被爆国であるために先頭に立つ気概は大切であるが、理念だけが先行し、現実の直視を忘れてはならない。

                                  [国内]
                         民主党政権の誕生

 期待されて民主党政権が誕生した。総選挙が、大勝・惨敗で決着したところに日本人の政治的パッション性が顕現した。岡本太郎は「芸術はパッションだ」と言ったが、政治が(一党独裁で)パッション化していいはずがない。

特に今回の総選挙では、政策ではなく「政権交代」が争点になったように、アミューズィング的・お祭り的な関心で、決してインタレスティング的な政治の本質への関心ではなかった。

政治家が「情熱・責任感・洞察力」を以って普段努力しているならば、マスコミ世論や政治的見識を披瀝したこともない新人候補者に大差で敗れることも無かったであろう。

勝海舟は江戸幕府終焉の必然を、「初めて会議に参加した時、上の者たちが何も知らない。その時、勢いの転ずる工合が分かった。大本を守って、変化して往くのが難しいと思えた」と述懐している。「大本と変化」、いずれも自民党が忘れたものではないだろうか。

民主党内閣の主要閣僚に理系が多い点が注目されているが、政治は表現力である。福澤諭吉は「智恵の(ほこさき)を争う相手は外国」であるとし、「智戦」の勝敗が我が国の運命を決すると檄を飛ばした。富国強兵で日清、日露及びWWTは勝利したが、人種平等問題や満洲の管理等に係わる智戦では勝利を収めることが出来ず、大東亜戦争に突入した。

今また現実問題として、領土問題をはじめ、拉致問題、日中中間線問題、更には米軍基地移転問題などが山積している。

21世紀の国際社会は助走を終え、熾烈は国益獲得競争に向かおうとしている。日本国家を再設計する「日本維新」が必要であろう。                           

107号 21.7.1 (国際)  北朝鮮の核実験        (国内) 海賊対処法の成立


                                   〔国際〕

                             北朝鮮の核実験

 北朝鮮は国際社会の自粛要請や国連決議に基づく制裁にも拘らず、4月には弾道ミサイルを発射し、5月には2回目の核実験を行い、挑発行為を繰り返している。人民には餓死者が出ており、国際社会の支援が要請されているにも拘わらず、先軍政治に基づく強行な姿勢を改めようとしない。

国連安保理は、今回の一連の行動は2006年に出された議長声明に違反しているとして、追加制裁の新たな安保理決議(議長声明)を出した。

北朝鮮の外交は、曰く「安保理決議は認めない」「宣戦布告と看做す」など、口撃を正面に立てる。4月の事案で国連が議長声明を出したことに対して、「宣戦布告」と看做して対処することを声明したし、また韓国がPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)への正式参加を決めたことに対しては、臨検は敵対行為とし「わが共和国の自主権に対する容認できない侵害と看做し、即時的かつ強力な軍事的打撃で対応する」と主張した。

この様に、自国を震源地としておきながら、震源に反応した対処を厳しく非難しては、相手に言い掛かりをつけて一段の強硬姿勢に進む、いわばチキン・レースを繰り返してきたのが北朝鮮である。

敵対国家とも対話する姿勢で政権発足以来やってきたオバマ政権であるが、余りの北朝鮮の横暴にあきれ果て、大統領が「極めて遺憾」と言い、国務長官が「テロ支援国家再指定」の検討を開始したことを明らかにした。

 しかし、一方で、密かに米英等は北朝鮮での利権確保に走っているとも言われる。民主主義や人道を非難する欧米諸国であるが、何処までも自国の国益は確保しようとする現実がある。日本の核技術が北朝鮮へ流出している事実も見逃してはならない。

「外国の純粋な行為を期待するほどの愚は無い」(ワシントン初代米国大統領)は真実で、日本は日本の立場で対処すべきである。

                                   〔国内〕
                          海賊対処法の成立

 6月19日、すったもんだの末、衆議院本会議で、与党2/3以上の多数による再可決で漸く海賊対処法が成立した。国益(自国の安全)と、命を賭けて頑張っている自衛隊員の命をこれほどまでに粗末にする政治は無い。武器使用基準が緩和される新法は7月下旬にも施行される予定である。

 海上警備行動でアフリカ・ソマリア沖に派遣され、海賊対処している海上自衛隊は3月末から3ヶ月弱の間に、約30回の護衛活動をしてきた。日本関係船舶しか護衛できないので、前後2隻の護衛艦で、被護衛船は0隻や1隻のことも多かった。

ソマリア沖では、この半年間に約150件の海賊事件が起きており、200人超の人質も出ている。外国船から護衛の依頼を受けることもあったが、接近してくる不審船をサーチライトで照らしたり、大音響を鳴らして退散させる位しか出来なかった。現地の自衛官たちの悔しさはイラク派遣の復興人道支援で経験済みであるが、生かされないままであった。

新法の施行で、日本関係船舶以外の船舶の護衛も可能となる。海賊船はロケット・ランチャーなどで重武装している。警告に従わない海賊船に対しては船体を射撃することも可能となり、効果を挙げることが期待される。

アデン湾を通過する日本関係船舶は年間2000隻にものぼる。中国はいち早く、ソマリア沖への艦船の派遣を行い、かなり政治的であるが台湾籍船を含めた船舶の護衛活動を行っている。

 ジブチ共和国を拠点に、アデン湾を警戒監視するP‐3C哨戒機の航空部隊も既に任務につき、同航空部隊には地上警備や管理要員として中央即応連隊所属の陸上自衛官約50人が参加している。

 自衛隊の海外派遣に関する一般法は、国連平和維持活動協力(PKO)法以来。海賊対処は武力行使ではなく警察活動という位置付け。復興・人道支援などで海外へ自衛隊を迅速に派遣するためには恒久法が欠かせない。

                                        

106号 21.4.1 (国際)  黒人大統領の就任        (国内) 海賊対処に護衛艦派遣

                                   〔国際〕
                          黒人大統領の就任

 1月20日、米国史上初めて、黒人のオバマ氏が第44代大統領に就任した。「60年足らず前ならば、地方の食堂で食事をすることすら許されなかったかもしれない父親を持つ一人の男」と、人種差別を意識して奴隷解放宣言をしたリンカーン大統領が使用した聖書に手を置いて就任宣誓をした。また、ケネディに倣って国民の義務を強調し、ワシントン初代大統領の言葉を引用するなど、幾重にも米国の歴史を意識させるものとなった。

 従来普遍的な価値観と見られた自由や民主主義なども、顧みるとWASP(白人・アングロサクソン・プロテスタント)を前提にしたものでしかなかった。オバマ氏の「チェンジ」には、「長い間阻害してきた偽りの約束や言い古された定説を終わらせる」と就任演説で述べたように、「定説の見直し」も含意されているように読み取れる。

 異例は至るところに見られる。「我々は戦争をしている。経済は弱体化した。新しい時代に適合させそこなった我々全員の失敗」と率直に国民に語り掛け、「同じ手を用い、狭い利益にこだわり、面倒な決定を先送りする時代は終わった。再生の仕事に着手しよう」と呼びかける。

防衛については「安全と理想を天秤に掛けるようなことはしない」と現実主義者を強く打ち出した。何処に敵がいるか分からない今日、対処には国家の叡智を集める必要がある。

共和党政権の国防長官を留任させ、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)には前NATO欧州連合軍最高司令官のジェームス・ジョーンズ退役海兵隊大将を、CIAやDIAを統括する国家情報長官には元太平洋軍司令官のデニス・ブレア退役海軍大将を任命した。

 (麻生首相は36年間も4人(財務省、外務省、経済産業省、警察庁)体制できた首相秘書官チームを総務省を加えた5人体制に改変したが、防衛省から採用しなかったのとは雲泥の差である)(S)


                                  「国内」

                       海賊対処に護衛艦派遣

3月14日、広島の呉基地を海上自衛隊の護衛艦2隻がジプチ湾に向けて出港した。海賊行為が頻発しているアフリカ・ソマリア沖への海自護衛艦派遣を政府が海上警備行動として決定したことに基づく。

内閣府が同日発表した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」では、「海賊対策に取り組むべきだ」と答えた男性が72.8%、女性も54.2%と過半数を超えた。平均では63%となり、国のライフラインとなっている海域の安全確保が重要だとの認識が広がっていることを示している。

ソマリア沖の海賊による船舶襲撃は2003年の20件から0545件、08115件と急増している。海賊対策に参加している国は、「合同任務部隊」として米・デンマーク・トルコ、「EUグループ」として英仏独伊・スペイン・ギリシャ(スウェーデン・ベルギー・オランダは未到着)、「NATOグループ」として米独加・オランダ・ポルトガル・スペインを予定するも未編成、「単独参加」は露中印・マレーシア(日韓・シンガポール・パキスタン・南アは未到着)の諸国である。

従来の海外派遣では武器使用が正当防衛と緊急避難に限定されていた。しかし、「海賊対策は警察行動」と政府は仕分けした上で、停船目的での危害射撃は「任務遂行のための武器使用」として認めたとされる。

私的目的で略奪行為を行う海賊は憲法が交戦を禁ずるテロリストなどの国に準ずる組織とは異なると判断したためという。

海賊を拘束しても、国際民間活動団体が人権侵害と主張するなど問題も多い。昨年9月以降、合同任務部隊やEUが拘束した海賊は約250人であるが、刑事訴追などの手続きが取れたのはわずか。国際的な規則作りが早急に必要とされている。(M)

                                        

105号 21.1.1 (国際)  6カ国協議        (国内) 多層協調的安全保障政策

                                   〔国際〕
                               6カ国協議

6カ国協議の主題は北朝鮮の核兵器・核物質の廃絶である。 1994年に北朝鮮は米朝枠組合意で核政策の放棄を約束した。 しかし、2002年に核開発疑惑が発覚、翌年にはNPT(核拡散防止条約)脱退を表明。 その為、交渉当事者の米朝に、仲介役の中国と発言権を確保したい日韓露が参加して不定期的に開かれてきた。

拉致問題を抱える日本は、6カ国協議の枠組み作りで拉致を議題に加えるように主張したが他の参加国の共感を得られず、日本が重視した「拉致はテロ」との認識も共有されなかった。

協議は北朝鮮の都合で延期されたり、何の取り決めも無いまま終了したりで、主導権は完全に北朝鮮の手の中にある。 
 北朝鮮の目的は、核廃絶の素振りをしながら合法的に核開発の時間を確保し、併せてテロ支援国家の指定解除であったと診られる。

昨年10月のテロ支援国家指定の解除で、北朝鮮は行動の自由を拡大、一段と融通無碍な動きで関係国を撹乱しそうである。

日本が6カ国協議から得るものがあるとすれば、北朝鮮の「したたかな外交術」ではないだろうか。 軍事力を持たず、ならず者国家でもない日本は、相手を「火の海にする」と恫喝するわけにもいかないが、政府をはじめ、政治家及び外交関係者は国際交渉に対する認識の甘さを捨て、国際交渉は「平時の戦争」という認識に立つ必要があろう。

因みに、原爆を完成させた国は数年以内に水爆も完成させている。 北朝鮮の核開発がどの程度かも分からない段階で、また資金の欠乏も噂される状況で水爆まで考えるのは早計かもしれないが、想定外も考えることが危機対処のイロハでもある。

                                   〔国内〕
                      多層協調的安全保障政策

 2008年は米国の力の衰退が明確になり、「アメリカの一極支配」の構造が転機を迎えた歴史の転換点になるかもしれない。 米国に政治・経済で追随し、軍事では依存してきた日本は当然変わらなければならない。

 国家にとって基本的な安全保障政策は政争の具にしてはならない。米国の2大政党は外交と軍事では然程のブレがない。 そのために共和・民主のいずれの政党から大統領が出ても国民は安心で、政権交代も困難ではない。

 日本は、もっと広い視野で世界の変化を見定め、21世紀の荒波を乗り越える進路を描く作業が求められていた。

東京財団が発表した「新しい日本の安全保障戦略―多層協調的安全保障戦略―」はこうした問題に対する政策提言である。 本提言は北岡伸一氏と田中明彦氏 (共に東大大学院教授)をリーダーとするグループが纏めた。

 表題が示すように、@日本の防衛力の多機能化と弾力化 A日米同盟の信頼性と実効性の強化 B地域安全保障の強化 C国際社会に対する平和協力の強化から成っており、多層的・協調的に日本の安全を図ろうとするものである。

 提言自体は新奇ではないが、集団的自衛権の行使に向けて憲法解釈を見直すことや日本版NSC(国家安全保障会議)を早急に設置することなど、安倍首相がやろうとしたようなことを全体像として纏め、憲法改正しないでできることを示した点で画期的である。

 日本では自分の在任間に何かをやろうとして懇談会などを設置して提言させるが、実行に移す前に政権が交代したり任期が切れたりすると、折角の提言も継承されず棚晒しにされることが多い。 特に与野党の合意が得にくい安全保障問題について然りである。 この点で、政党に関りなく、民間の研究グループから出された本提言は超党派的に受け入れ易いのではないだろうか。

                                        

104号 20.10.1 (国際)  グルジア紛争と教訓        (国内) 勇気ある安保懇報告

                                        [国際]
                          グルジア紛争と教訓

北京で平和の祭典(オリンピック)が開催した8月8日、ロシアがグルジアに侵攻した。

北オセチア共和国(ロシア)への編入を求めて、グルジア中央政府と対立してきた南オセチア自治州に、政府軍が大規模攻勢をかけたことに対するロシアの介入である。

冷戦が終結すると同時に、結束を誇ったソ連・東独は崩壊、ソ連邦を形成していたウクライナやバルト3国など多くの国に独立し、自由と民主主義を基本原理とするEUやNATOに加盟する方向に進んできた。

グルジア紛争も元を質せば、サーカシビリ政権の急激な西欧接近にロシアが楔を打ちこもうとしたものである。アメリカの本気度を評価するのが今次の行動だとも言われるように、西欧接近を進めてきたグルジアの領土保全を全うできるかどうかが要点であろう。その成否は内部に親露勢力をかかえるウクライナやモルドバの今後にも大きな影響を与える。

米国はロシアの侵攻直後に警告を発したのを始め、艦艇3隻と陸軍部隊を急派した。さながら砲艦外交の再来であるが、ロシアの決意も固く南オセチアとアブハジアの独立を承認し外交関係も樹立した。

 グルジアの東に位置するアジェルバイジャンや中央アジアのカザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタンは石油・天然ガスの宝庫で、欧米と露中が三つ巴の争奪戦を繰り広げているところである。

グルジア侵攻は、経済力をつけてきたロシアが国家戦略を明示し、EU・ NATOの結束の度合いを測ったという点で重要なばかりでなく、不法占拠の北方領土に対するロシアの姿勢や日米安保条約を結ぶ日本の安全にも大きな影響を与えるもので、関心を持たずにはおれない。

                                        [国内]
                         勇気ある安保懇報告 

カンボジアPKOに始まり、イラク人道復興支援やインド洋におけるテロ対処活動支援まで、累次の派遣によって自衛隊は「存在する組織」から 「機能する組織」への脱皮を図ってきた。自衛隊が持てる力を発揮できるように少しづつ法律は整備されてきたが、集団的自衛権の行使は不可と言う極度の「自己規制」から、安全保障の法的基盤が機能不全に陥っていることに変わりはなかった。

そこで、安倍首相(当時)は私的諮問機関として「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保懇・柳井俊二座長)を設置(07年4月)し、以下の4類型を検討するように指示した。

@   米国を狙った弾道ミサイルをミサイル防衛システムで迎撃

A   公海上で並走中の米軍艦船が攻撃された際の反撃

B   国際平和活動を共にする友軍への攻撃に対する反撃

C   国際平和活動に参加する他国への後方支援

08年6月24日福田首相に提出された報告書は、「国際法的にも国内法上も不自然・不合理とも思われる綱渡りの(憲法)解釈」をしてきたが、現実に目を向けるならば、こうした解釈に決別して集団的自衛権の行使や集団安全保障への参加を可能にするべきである、と勇気ある提言をした。

 そもそも、集団的自衛権は国連憲章51条で認められている国家に固有の権利であり、「権利の保有」=「権利の行使」が通常の解釈である。しかし、日本は集団的自衛権の行使を禁止しているため、一見して集団的自衛権を適用すべきところにも拘らず、個別的自衛権の姑息な解釈に依存しようとしてきた。

 今次報告は、@Aについては集団的自衛権として解釈変更すべきこと、BCについては国際平和維持のためにむしろ積極的に行うべきこととした。

 もはや、国際社会に歩調を合わせて活動するためには、引けた姿勢や姑息な解釈では立ち行かなくなっている現実を直視し、正面から取り組むことを提示したもので、快哉!と言うべきである。

 麻生内閣では着実に実行してもらいたい。(S)

103号 20.7.1 (国際)  中国の軍事力増強        (国内) 中国の軍事力増強


[国際]

                       中国の軍事力増強

米国防総省は3月3日、「2008年の中国の軍事力」を公表した。報告書は中国が宇宙における軍事能力の向上に野心を燃やしているだけでなく、軍の近代化と核ミサイルの増強にも注力していること、またスパイ活動も活発化させハッカー攻撃を強めていることを明らかにした。

 同日、中国の姜恩柱報道官は記者会見で、08年の国防予算が前年比の17.6%になることを明らかにした。これで中国国防費の二桁台の伸びが20年連続していることになる。

報道官は「軍事力は独立と主権と領土統一のためのもので防御的なもの」と強調しているが、兵器の開発や外国の兵器購入などを含めた全軍事費は公表された額の数倍と見られており、米国の報告書が指摘するように「自国防衛から遠隔地の領有権や資源の獲得を遂行する戦力の保持」で、アジア太平洋を越える戦略的能力を向上させている。

因みに、0610月時点で900基であった台湾対岸へ配備した短距離弾道ミサイルも、1年後は9901070基に増加。また、射程約7200qの大陸間弾道ミサイル「東風(DF)31」に加え、射程約1万1200qの「東風31A」も配備中。

また、米国の空母機動部隊に打撃を与える原子力潜水艦開発に注力。「晋」級原子力潜水艦に搭載可能な射程約7200qの新型弾道ミサイル「巨浪(JL)2」も0910年に配備予定である。

米国の軍事的優位が通信情報衛星を中枢とした軍事システムにあることに鑑みると、中国が衛星破壊実験をやり宇宙の軍事利用に懸命なこと、他方でハッカー活動を活発化させて、中国人民解放軍が情報化時代の現代戦では「敵国の偵察・通信衛星の破壊が必要」と強調していることは、米国の軍事優位を崩壊させる意図を明確にしているとも言える。

中国の対米軍事力増強は、日米安保体制の下で米軍情報に依存する日本の戦略に直結する問題で等閑視できない。

                                    [国内]

                     理解に苦しむ違憲判決

名古屋高裁が航空自衛隊のイラク派遣を違憲とした。国会が議決した法律に基づき、政府の命令によって派遣された自衛隊員や家族にとっては理解に苦しむ判決である。

地裁(一審)は、事実の有無を認定し、法令に基づく権利を認める「事実審」とされ、敗訴側が控訴する高裁(二審)は、一審判決が法律に照らして妥当か、疑問があれば取り除いていく「法律審」とされる。

 高裁判決を不服として上告する最高裁は、二審の判決が憲法に違反していないか、或いは従前の判決と違っていないか、又は放置しておくと権利侵害の程度が著しいかなどを審理し、二審判決を是正していくので「上告審」とも呼ばれる。

三審制は、審級によって役割分担が決められており、1、2審では上告の権利が担保されていなければならない。

多国籍軍による武装勢力の掃討活動は、イラクの安定と安全への貢献を求めた2003年5月の国連安全保障理事会決議1483などを根拠としており、イラク政府も支持する正当な治安維持活動にほかならない。

また、日本はイラク復興支援特別措置法を制定して、自衛隊が行う人道復興支援活動などは「非戦闘地域」で行うよう定めている。

ところが、今次名古屋高裁の判決は、イラクでの多国籍軍と国内の武装勢力との抗争を「国際的な戦闘」と認定し、空自による多国籍軍の空輸は「他国による武力行使と一体化した行動」で、武力行使に当たる、と結論づけた。

このように、イラクにおける自衛隊の活動について事実誤認した判断の上での判決である。しかも、傍論で違憲判断をしているにも拘らず、本論で原告(市民団体)の請求を退けたため国側が勝訴したことになり、最高裁への上告の道を閉すという、極めて問題の多い、二重三重におかしな判決になっている。

 

102号 20.4.1 (国際)歴史の共同研究     (国内)外国人参政権


[国際]
歴史の共同研究

本年元日の「東京新聞」は1面トップで、「日本批判の『田中上奏文』、中国でも偽物説強まる」「歴史共同研究報告書に反映も」と報じた。田中上奏文は、「支那を征服せんと欲せば、先ず満蒙を征せざるべからず。世界を征服せんと欲せば、必ずまず支那を征服せざるべからず」という調子で書かれている。

昭和2年、田中義一首相が、大陸侵略を通じて日本がアジアの雄となり、次いで世界征服を目指すべきであると昭和天皇に上奏したというもの。日本では「偽物」という見方が大勢であったが、中国では歴史教科書にも記述し、北京の盧溝橋にある「抗日戦争記念館」にも展示している。

歴史の共同研究は欧州、特に英仏と独との間でとうに行われ、学校教育などに反映されている。日韓の間でも歴史の共同研究が行われたが、政権の思惑に左右され、なかなか客観的な結論に至らない。

安倍首相が訪中して、日中間の歴史共同研究が始まった。

従来、中国は南京事件の「30万人虐殺」は中国共産党が決定した公式見解であると譲らなかった。しかし、共同研究で30万人は「政治的」なもので「学術的」でなかったが、「無辜の市民を虐殺した事実」は厳然として存在するというように主張を変えてきた。

 田中上奏文に関しても、本年6月纏めることになっている報告書では「偽物説が主流となりつつある考え方が反映される可能性もある」と見られるが、「満州事変後の事態の進展がほぼ田中上奏文通りである」ことから、中国は「日本が中国侵略の意図をもっていた」ことは確実との立場を堅持しているといわれる。

 要するに、歴史的・学術的に検証できない、従来のでたらめ″な主張を引っ込める代わりに、日本が「犯罪国家」「侵略国家」であることを認めよと論点を変えてきたのである。靖国神社参拝問題や従軍慰安婦問題も同様に政治的なもので、日本を好戦的・非人道的な国であるとして糾弾し続けることに意義を見つけているわけで、軽率な妥協は未来永劫日本を苦しめることになる。

                                         [国内]
                             外国人参政権問題

 1999年に自自公の連立政権ができた時、政権合意の中で、外国人に地方参政権を付与する法案の成立を明記した。
しかし、自民党内での意見集約ができず、未成立のまま今日に至っている。


 2月中旬、韓国の次期大統領と会談した小沢民主党代表は、外国人参政権法案の審議が進まないことは遺憾で、成立に向けて努力する旨発言。政府・与党内にあって、地方参政権問題で積極的な公明党を巻き込んで政局にする意志の表明であろう。

 外国人参政権推進派は、納税義務を果たしていることや少数民族の権利の保障、更には日本社会の国際化などを挙げている。

 他方で反対派は国民主権との関連や安全保障上の問題、更には諸外国との比較の視点を挙げる。

 推進派は地方参政権であるから国政には影響ないとも主張するが、最近行われた岩国市長選は、米海軍艦載機の厚木からの移転受け入れ問題が主たる争点であったように、地方選と言えども日米同盟に関わる問題であり、国政に大いに関係している。

 実は、この問題は既に平成7(1995)年、最高裁が判決を出している。

基本的人権の保障はわが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶが、憲法15条1項に言う「公務員を選定罷免する権利」は国民主権の原理から、「日本国民」、即ち「わが国の国籍を有する者」を意味することは自明で、「わが国に在留する外国人には及ばないと解するのが妥当」とした。

 また、地方自治について定める93条の「住民」について、「地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素をなすものである」ことを考えると、「地方公共団体の区域内に住する日本国民を意味すると解するのが相当」とした。政局にする問題ではない。(S)

101号 20.1.1 (国際)ISAF(国際治安支援部隊)     (国内)「集団自決」記述修正問題


                                   [国際]   
                     ISAF(国際治安支援部隊)  

 アフガニスタンにはカルザイ政権発足後も治安を担う警察や軍隊などが存在しなかったため、国連の承認に基づき、首都カブールの治安維持を目的に国際的な支援で治安をカバーするISAFInternational Security Assistance Force)が設立された。

 当初は英軍指揮で、その後はトルコ、独、(オランダ)(カナダ)軍を経て、20038月以降NATOに指揮権が移行した。同時に治安部隊の配置も全土に拡大した。

 2007年時点で、北部各州に独・(スウェー)(デン)(ハン)()(リー)ノルウェー、西部に伊・米・西(スペイン)・リトアニア、南部に加・米・、東部に新西蘭(ニュージーランド)・米・トルコの各部隊が展開している。

他にもNATO加盟国として、ベルギー・ブルガリア・チェコ・デンマーク・エストニア・仏・希臘(ギリシャ)・アイスランド・ラトビア・ルクセンブルグ・(ポー)(ランド)葡萄(ポルト)(ガル)・ルーマニア・スロベキア・スロベニアがISAFに参加している。

 NATO以外では、アルバニア・豪・(オー)(スト)(リア)・アゼルバイジャン・クロアチア・(フィン)(ランド)・マケドニア・(アイル)(ランド)(スイ)西()が、ISAFに参加しているが、部隊単位から武官数人の派遣まで様々である。

 7万人規模のアフガニスタン国軍(ANA)創設のため、米仏が努力してきたにも拘わらず、待遇の不満や各地に割拠する軍閥のもとにANA兵士が返ってしまうなどから、ANA創設は思うに任せず、ISAFが未だ必要とされている。

いま東部から南部に掛けてのパシュトゥーン地域が問題になっている。東のパキスタンにはアルカイーダが、アフガン領内では勢力を盛り返してきたタリバンなどの反政府組織が活動しているからである。

週に一度のペースでISAF隊員が殺害され、現在までに500人以上が犠牲になっている。しかし、このような状態でISAFを解散しANAに任せると、内戦勃発の危険性があると考えられている。


                                 [国内] 
                    「集団自決」記述修正問題

大江健三郎氏が『沖縄ノート』で「罪の巨塊」と書いた海上挺身隊第三戦隊長赤松嘉次元大尉に会いたい思いを募らせた曽野綾子氏は、赤松隊長と接触のあった村長や駐在巡査、島民、副官(沖縄県人)、赤松隊長などに直接取材したが、「赤松元隊長が出したと世間が言う自決命令なるものを、書付の形であれ、口頭であれ、見た、読んだ、聞いた、伝えた、という人に1人も会わなかった」(「産経新聞」平成19.10.23)のである。曽野氏は「命令の実証はない」という。

平成18827日付同紙は、渡嘉敷島の村民集団自決に関する元琉球政府の照屋昇雄氏の証言を掲載した。

 その概略は、「赤松隊長が集団自決を命じたと教科書に書かれてきたのは間違いで、照屋氏を含む琉球政府関係者、渡嘉敷村村長、そして日本政府関係者が遺族に対して援護法の適用を受ける方策を相談した結果、『命令したことにして欲しい』として村長らが隊長に依頼・同意を得た上で、照屋氏らが『赤松元大尉が住民たちに自決を命じた』とする書類を作成、日本政府(厚生省)に提出したことを明らかにした。

自決した犠牲者は準軍属とみなされ、遺族や負傷者は弔慰金や年金を受け取れるようになった」というものであった。

照屋氏の良心の叫びが歴史の真実をこじ開けた意義は大きかった。文科省は、平成204月から使用される高校日本史教科書の検定で、従来「日本軍の『命令』や『強制』による」としていた記述の修正を求める検定意見をつけた。
 これを不服とした沖縄県などで検定意見の撤回を求める運動が広がり、政府は、教科書会社の自主訂正を容認する形で、歴史を真実に近づけようとした検定意見を撤回させようとしている。

県民感情を考慮する余り、真実が隠蔽され、日本を背負っていくべき若者を誤導することだけは避けなければならない。(S)


100号 19.10.23 (国際)アーミテージ・レポート     (国内) 国益に叶う最高裁判決

                                 【 国 際 】
                         新アーミテージ・レポート

 2007年2月、アーミテージ・レポートUが発表された。7年前に発表したアーミテージ・レポートは「米国と日本〜成熟したパートナーシップに向けて」となっていて、同盟の強化に役立った。

 今回のアーミテージ・レポートUは、「米日同盟〜2020年のアジアを正しく方向付けるために」となっている。急進的なイスラム原理主義やテロリズム、大量破壊兵器の拡散、中国の軍事的・経済的な台頭、グローバル化する経済、エネルギー問題など、アジア・太平洋諸国が直面する様々な課題を分析しつつ、地域の平和と安定のためのあるべき日米関係を追及したもので、提言・勧告は極めて示唆に富む内容である。

 「国際的な安定と安全保障に対する貢献において、日本が更に積極的な役割を担うことを助長しないことは、国際コミュニティにおける日本の全能力を否定することである」「東アジアの将来の良否に影響する最も重要な要因が米国の将来の地位と関係があることを認識していないのであれば怠慢である」「新しい世紀の課題を洞察すれば、(日米)両国が個々に、かつ同盟国として対応するやり方が新しい世紀の可能性と共にアジアー太平洋に著しい安全と安定をもたらす」と述べる。

 「我々の国益は、米国、日本、中国及び東アジアの諸国がそれぞれの役割を演じて築こうとする安定の中にある。特に、東アジアの安定は米国―日本―中国の三角関係の上に築かれる」というように、米国の国益を追求する上での日米関係の重視である点だけは見落としてはならないであろう。

                                【 国 内 】
                       国益に叶う最高裁判決

大東亜戦争中に日本が行なったとされる中国人の強制連行や韓国の従軍慰安婦に絡む賠償請求訴訟が繰り返し行われ、際限なく議論されてきた。

日本では、人道的救済を考慮する余り、国際社会における法的枠組みを軽視するような面が多々あった。比国やインドネシア等の国々とは経済協力の形で2国間賠償協定を結び、韓国とは日韓基本条約で、中国とは日中共同声明で決着させているにもかかわらず、中韓等に付け入る隙を与え、国益の毀損と日本の印象を悪化させる要因にもなってきた。

この点から、去る4月、第二次大戦中に中国人が日本で過酷な労働を強いられたとする訴訟で、最高裁が「日中共同声明により、中国国民個人の賠償請求権は放棄されている」との判決を示し、際限の無い要求を断ち切るものである。

1審では時効を理由に原告の損害賠償請求を棄却したが、2審は時効を認めず、また日中共同声明で「日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と明記しているにもかかわらず、「中国国民が損害賠償請求権を放棄するとは明記されていない」とおかしな解釈をして賠償を命じた。

 これに対し、最高裁は「サンフランシスコ条約は個人の損害賠償などの請求権を含め、戦争遂行中に生じた全ての請求権を連合国と日本が相互に放棄することを前提にしている」と指摘した上で、日中共同声明について「サ条約の枠組みと異なる取り決めがされたと解釈することはできない」として、上記判定を下した。       (S)

99号 19.7.23 (国際) 日豪安保協議の持つ意義      (国内) 求められる政治決断2題


                    【 国 際 】
             日豪安保協議の持つ意義

 中露鮮が日本の包囲網を形成しつつある。6カ国協議で中露が北朝鮮の核実験に対する制裁に積極的でないのは、こうした包囲網の一翼を北鮮に担わせているからに他ならない。いわば、北鮮は中露の同盟国も同然である。3国は、人民の人権を軽視(無視)し、言論の自由を認めず、強権・独裁体制の維持を共有する国家群である。

 日本は、いうまでもなく自由と民主主義という人間の基本的人権を尊重する国家で、同じ価値観を有する米国とは同盟関係にある。日本を取り巻くアジア・太平洋の諸国を見ると、自由・民主主義の価値観を有するのは台湾、印度、シンガポール、そして豪州である。

韓国は自由・民主主義の国であるが、昔から中国の影響を受けやすいし、日本には敵対したがる性格を有する。

しかし、半島は日本にとっては、中露の影響を緩和する地理的条件にあり、地政学上はなんとしても、日本と価値観を共有する国であることが望ましい。

 中央アジアから北朝鮮を含む一帯は「不安定の弧」と呼ばれるが、日本と共有する価値観を持つ国々の地域は「自由と繁栄の弧」と呼ばれている。

 日豪首脳は去る3月、日豪安保共同宣言に署名した。それに基づいて6月初旬には日豪の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)が都内で開かれた。

 豪州は米国の同盟国でもある。日米同盟を一層強固にするためにも、日豪の戦略的な枠組みへの発展が期待されている。 

                                 【 国 内 】 
                      求められる政治決断2題

70年前、日本軍が中国国民政府の首都・南京を攻略した当時は、中国人も蒋介石も、整斉とした日本軍の進駐によって治安が保たれたと、非難どころか感謝さえしていた。当時の南京に滞在したラーベの日記などにも、数えるほどの目撃者・事件しか書かれていない。

ところが共産中国は、日本軍の侵略による「南京大屠殺」と称して、30万人虐殺の記念館をあちこちに建て、生き証人が今でも4000人いると豪語する。

しかし、昨年末始まった日中歴史共同研究以後、南京事件の3040万人虐殺説は「政治的」なもので「学術的」でなかったという発言が相次いでいる。日本は30万人では納得しないが、数万ならば納得するだろうという中国共産党の深謀遠慮である。

「犯罪の事実化」を図り、日本を永遠に犯罪国家として糾弾し、臣従化ができると考えているようである。日中間の歴史さえ、友好如何によって政治決断で捏造する事実を暴露した。南京では幾つかの事件はあったかもしれないが、断じて、大虐殺などの犯罪ではない。

従軍慰安婦問題では、政府が全力を上げて資料検索をしたが、日本軍が韓国女性を強制連行した事実は発見できなかった。しかし、その事実を発表されたら韓国政府が持たないという要求に応えて、時の官房長官が政治決断した結果が「河野談話」であった。

国内問題での政治決断は国民の福祉を向上させる場合も多いが、こと国際間の問題では、相手の国益が絡んでいるわけで、軽々に乗ってはならない。


98号 19.4.23 (国際)中国の対衛星ミサイル     (国内)日本の宇宙開発


                                   【国 際】
                 中国の対衛星ミサイル

 中国は発展する経済力をバックに、
19年連続して2桁の伸び率で国防費を増大し、5年ごとに倍々ゲームを繰り返してきた。中でも海空戦力の近代化と宇宙兵器の開発に注力してきた。

1996年の台湾総統選挙ではミサイルを台湾近海に発射して妨害したが、アメリカが2隻の空母を派遣して中止させられる屈辱を味わった。

それから10年、中国軍国防大学の朱成虎少将が「米国がミサイル等で中国の領土(艦艇や戦闘機も含む)を攻撃するならば、中国は核兵器で反撃せざるを得ない」と豪語するまでになった。

無人衛星の回収ばかりでなく、世界が注目する中で、有人宇宙モジュールを予定地に精確に帰還させる高度な誘導・制御技術が、アメリカ本土まで届くICBMやSLBM等の精度向上に役立ち、2010年頃を機に、戦力の近代化が顕著である。

近代戦は情報・指揮・通信などの多くを宇宙空間の衛星に依存するネットワーク中心の戦争(NCW)の様相を呈しており、宇宙を制するものが地球を制する時代でもある。アメリカに対抗する明確な国家戦略の下に開発努力してきた成果が高密度レーザによる衛星の目潰し実験であり、弾道ミサイルによる衛星の破壊である。

 中国はロシアと共同で宇宙の武装化に反対する立場から、宇宙兵器禁止条約の作成を訴え続け、文書も提出しており信義誠実の観点からは大きな問題がある。

                    【国 内】
                 日本の宇宙開発

日本は1969年に「宇宙の平和利用」を国会決議し、「非軍事」しか認められないとしている。そのため、偵察衛星などの研究・開発もできない。

その上、日米貿易摩擦で日本の構造改革が取り上げられ、政府機関等が調達する実用衛星(研究開発衛星以外の衛星)は「公開、透明、無差別に国際競争入札する」という「調達合意」が1990年に結ばれ、爾後、政府等が調達した13基の通信・放送・気象衛星のうち12基は米国企業の衛星を購入する結果となっている。

国連の宇宙条約(1967年)では、宇宙空間に「大量破壊兵器の配置を禁止」するというのが国際水準の解釈とされ、「自衛権の範囲で大量破壊兵器を用いなければ、『宇宙の平和利用』である」(青木節子慶大教授)とされる。つまり「非侵略」目的の活動であれば、「非軍事」でなくても許容される。

現実に米・露は軍事目的の衛星を多数打ち上げているし、また、軍事利用の90%は商用衛星に依存している。

日本のHUAはロケット界のロールスロイスと言われながら、年に数回の出番しかなく、米ソについで技術優位にあった日本が、今や中国にさえその地位を明け渡さざるを得ない状況に立ち至っている。

技術創造立国を目指す日本の将来は技術波及型の航空・宇宙開発に依存すると言っても過言でない。宇宙の開発利用を総合的見地から打ち出し、世界の尊敬、国民の福祉向上、国富の増大、そして何よりも安全保障と外交力の向上に役立てることが求められている。

いま与党が進めている宇宙基本法制定の動きは時宜を得たものである。

97号   19.1.19 (国際) PSI構想      (国内) 核議論と「核の傘」


                                  【国 際】
                                PSI構想

 国際的枠組みを使って大量破壊兵器の拡散を水際で阻止する構想。ブッシュ大統領が2003年に提唱、現在90カ国以上が参加・協力している。米国が主導するPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)は、公海上での停船、臨検、拿捕など強い強制措置を想定している。

北朝鮮の核爆発実験に対し、国連安保理は北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査の実施を含む制裁決議を採択した。

 鍵を握るのは貨物検査の実効性である。平時、船舶を対象にする検査には安保理決議に基づいて行う禁輸執行活動や国連海洋法に基づく平時臨検がある。

今回の制裁決議では、実施するかどうかは各国の判断に任されている。米国はこの点を懸念しており、PSIを法的に裏付けるものと位置付けして、有志連合によるPSI構想拡大に向けたい構えで、日本は連携を求められている。

 日本の参加は憲法上の制約から、周辺事態に認定されても米軍への支援は限定され、これまでの訓練では監視や追跡などにとどまっている。

                    【国内】
                核議論と「核の傘」

 北朝鮮の核爆発実験を機に、核に対する議論の是非が問題になっている。政府は「作らず、持たず、持ち込ませず」の非核3原則の遵守を明言しているが、野党でも前原前民主党代表のように、「核議論は大切」(保有するか否かは別問題)という議員も多い。

核は保有して初めて抑止力を持つ、すなわちBalance of Power(勢力均衡)たり得るという見方が国際政治の常識である。1950年から60年代に掛けて、英仏も米国の「核の傘」の信頼性問題に直面。検討の結果、欧州戦場でソ連の核優位を防止するためには核装備が不可欠と結論付けた。

80年代、ソ連がSS-20を欧州に配備すると、再び米国の核の傘問題が発生。結局、欧州のみをカバーできる戦域核ミサイル(パーシングU)の開発と欧州配備を米国に要求した。

類似の核が存在して初めて抑止力となるBalance of Powerの観点からは、「持ち込ませず」は疑問として非核2原則を主張する向きも有力であるが、今や「議論せず」が加わり非核4原則とさえ言われつつある。

96号 19.10.23 (国際) 東アジア共同体構想     (国内) 日本版NSC


                    【国 際】
               東アジア共同体構想

 冷戦構造崩壊後は米国一強による経済のみならず、自由と民主主義をも含めたグローバリゼーションの様相もあったが、これに強力な一撃を加えたのが9.11同時多発テロであった。

以前から、北米のNAFTAや欧州のEUなど、経済からスタートした地域主義があったが、9.11事案を契機としたイラク戦争開始後は自由・民主主義に関してもグローバリゼーションの一筋縄ではいかないことが明確になり、一層の地域主義の高まりが見られる。

 冷戦後の東アジアにおいては、ASEAN+3を軸にした共同体構想が出て、日本と中国の主導権争いにまで発展した。

 アジアに覇権を確立したい中国は日本の影響力削減と米国排除を至上命題としてきた。日本の過去を執拗に暴き貶めることによって、国連常任理事国入りを阻んだのもその故である。

 他方、米国の影響力排除には失敗した感が強い。米国が最も信頼を寄せる豪州(とニュージーランド)が加わり、更に民主主義の価値観を共有し、人口・市場において中国にひけを取らないインドも参加する方向にあるからである。

 日本と中国は今後も主導権争いを演じ続けるであろうが、自由・民主主義の理念推進型の日本と軍事力を背景にする覇権確立型の中国のせめぎ合いには遠大な国家戦略を構築することが必要であろう。

                    【国 内】
                  日本版NSC

安倍内閣が始動した。総裁選で注目されたのが「日本版NSC」の提唱である。NSCは米国の「国家安全保障会議」のことでNational Security Councilの略である。

米国の大統領は「国家安全保障戦略」(National Security StrategyNSS)を毎年作成し議会に提出することが求められている。このNSSを作るのがNSCで、安全保障の中枢である。

NSSに基づいて国防総省が国家防衛戦略(National Defense StrategyNDS)を確立し、国防計画(Defense Program)を作成する。1997年以降は4年ごとに国防戦略と国防計画が大々的に見直されることになり、通称QDR(Quadrennial Defense Review「4年毎の国防計画見直し」)として知られている。

ブッシュ政権2度目のNSSは2006年3月に公表され、QDR(第3回目)は2006六年2月に発表された。

日本には国家戦略がない、とよく言われるが、大きな情勢の変化があると「防衛計画の大綱」が作られ、中期防衛力整備計画が策定される程度で、国家安全保障戦略とはほど遠い。

 7月5日の北朝鮮による複数ミサイル発射に関連して、安保理非難決議案件で米国との調整に主として当たった安倍官房長官(当時)は、日本版NSCの必要性を強く感じたといわれる。

95号 19.7.23 (国際) 注目される「上海協力機構」     (国内) 変わる自衛隊
   
                             【国 際】
             注目される「上海協力機構」

冷戦時代は北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構(WPO)が対峙したが、ソ連崩壊にともないWPOは消滅した。その後、ロシアはウクライナ等とCISを結成したが、いま崩壊の危機にある。

中国が自国におけるテロ対処等を目的にカザフスタン、キリギス、タジキスタンにロシアも加えて1996年に結成した上海ファイブという協力機構が2001年には上海協力機構(SCO)になり、2001年には対テロ共同軍事演習も行なった。

 20066月には上海で中露とウズベキスタンを加えた中央アジア4カ国が機構創設5周年の首脳会議を開催し、国境信頼醸成、反テロなどの地域安全保障、経済及び資源エネルギー面での協力関係強化を打ち出すとともに、機構拡大に取り組む意欲を示した。首脳会議にはイラン、インド(石油相が代理出席)、モンゴル、パキスタンの4カ国首脳がオブザーバー参加した。

 胡錦濤主席は「善隣友好、平和、民主の原則、域外に開かれたSCO」を強調し、機構の張徳広秘書長はNATOのような軍事集団にはならないと述べているが、独裁的、強権的体質の国家が協力して“反米連合”で体制維持を図る機構のようにも思える。

資源は豊富であるが政治的な安定を欠く中央アジアの諸国が参加し、米中露によるパワーゲームの主戦場の様相を呈しているので、日本などに及ぼす影響も大きく無関心ではおれない。

                    【国 内】
                  変わる自衛隊

政府は防衛省移行法案を6月8日の安全保障会議を経て翌9日の閣議で決定、国会に提出した。秋の臨時国会で成立を期す。防衛庁を省へ移行する法案は昭和39年池田内閣が閣議決定したが国会提出に至らなかった。平成13年には旧保守党が自民党と議員立法の形で衆議院に提出したが、解散に伴い廃案となった経緯がある。

法案が成立すれば、現在内閣府におかれている防衛庁が防衛省となって各省と並び、主任大臣の権限は内閣府の長である首相から防衛大臣に移行される。

閣議決定後の記者会見で額賀防衛庁長官は「防衛省となって各省と同じ行政システムになり、自らの判断で予算、法案の提案権を持つ。重い責任をしっかり自覚し、政策官庁として国民の信頼を得るよう意識改革していかなければならない」と強調した。

関係法律の改正案には、国際平和協力活動を自衛隊の本来任務とする改正も含まれている。

なお、6月2日の改正防衛庁設置法の成立で、自衛隊の装備品について開発から調達、管理、廃棄まで一元的に行いコスト削減を図るため、契約本部は内局にある原価計算部門を統合して装備本部に、自衛隊地方連絡部は渉外・広報業務を追加して地方協力本部に改称される。更にテロやゲリラ攻撃等への対処、国際平和協力活動への取り組み強化のために、陸上自衛隊に新たに中央即応集団が編成されることが決まっている。