(パネラー及び司会者の紹介)
◇テーマ1:自衛隊は身近な存在になっているか
(植木)10周年おめでとうございます。自衛隊は着実に身近な存在になっている。特に災害派遣における活動、阪神淡路大震災やこの度の東日本大震災における救援活動では自衛隊の人に助けられたとの思いを持つ人は多い。また国際貢献での活躍は認知度は低いものの自衛隊が国民に頼られる存在となっている。只、防衛本来任務での活躍は見え難い面もあり、まだ身近とは言えない。
(木元)日本の生命・財産を守る等、国の守りを担っている自衛隊の存在は日常的に直接自分の生活に関わりがないから身近に感じられない。大災害が起きて初めて認識する。原子力事故も同じで起きてから初めてその大切さを知る。普段は表に現れない自衛隊の活動はどうしても身近になり難い。 本会の参加者の皆様とは同年代と思うが、自分たちの子供時代には兵隊さんは身近な存在であった。何故かと言えば教科書の中に何時も出てきた。日常の生活でも兵隊さんが身近な存在であった。道端で兵隊さんに挨拶する経験も多くあった。歌の中でも身近な存在であった。「軍歌」との表現は好きではないが、歌の中でも身近な存在であった。「日の丸行進曲」他、「空の神兵」は名曲であった。悲しみや苦しみはあったが身近な存在であった。しかし今の時代にはそれがない。
(神風)父が自衛官であったので個人的には自衛隊は身近な存在であった。しかし子供の頃、将来の夢はサラリーマンと言った経験がある。サラリーマンがカッコよく見えた記憶が鮮明に残っている。しかしながら当時と今日の自衛隊の存在は大きく変わった。当時は自衛隊が「税金ドロボー」と言われた時代もあった。しかし今その様な見方をする人はほとんどいない。また、今回の東日本大震災では自衛隊と国民の距離感が非常に縮まった。内閣府の意識調査が3年毎に実施されているが国民の自衛隊に対する意識は相当に高まっているのではないかと考える。
(佐藤)元自衛官、福島県出身の参議院議員です。私の印象であるが、今「美しき誤解が広がっている」と言える。理解より誤解が深まっている。自衛隊=災害派遣部隊のイメージが広がっている。部隊の記念日での祝辞は災害派遣のことばかり、国の守り「国防」をもっと言わないと弱い自衛隊になってしまう。日頃の厳しい訓練があってこそ災害派遣の任務が達成できている。日頃の防衛任務に比べれば災害派遣はまだまだである。ここに自衛隊の存在の本質がある。国防のための訓練が強い自衛隊をつくる。但し、今回の東日本大震災での活躍は自衛隊が国民の身近になったばかりか、自衛隊の意識も救援活動を通じ国民に触れ合い身近になった。「将来自衛隊になりたい」と言った子供も多かった。自衛官の意識も変わった。強くなければ優しくなれない。
(木元)安全保障は食糧やエネルギーであり、国防である。国防は「正しく美しく目の前のことを自覚する」ことが重要である。どこかで見える形が必要である。それは教育と言う場で良いと思うが、正しく伝えることが大切である。家庭教育や社会での教育があって初めて防衛力の認識が正常と言うか正しく伝えられると思う。
(司会)政権交代があり、新たな民主党政権下で防衛大綱が示されたが、国民にとっては政権交代があっても「国防」は毎日のご飯のように変わらないものであるとの認識が広がったと思うが、所見は如何。
(神風)外交・防衛に関し、政権交代があってもその基本の方針は変えるべきではないと個人的には思っていた。当初の政権時に「普天間基地」問題で方向性が違っていたが、外交や安全保障の問題では自民公明を含め一緒になって取り組んでいる。只、逆にこれまで自民党の政権ではできなかった問題解決ができるようになったこともある。例えば武器輸出3原則の見直しは自民ができなかった問題を政府で進めている。
(司会)「軍隊は納税者の支持があったはじめて成り立つ」が基本であるが政治学者として自衛隊の身近さ問題をどう捉えているか。
(植木)「民主平和論」がある民主主義の国同士は戦争しない。メカニズムは解明されていないが、確かに起きていない。民主主義国家は決して平和愛好国家ではない。ただ納税者が戦争の決定にも関わっている点が指摘されている。日本の納税者にもきちっと考えてもらう必要がある。自分の教えている留学生の中には子供のころから軍隊・戦争を多く経験し、戦争が極めて身近な存在であった学生がいるが、その様な方法で身近になってはいけない。世界で何が起きているか想像力をもって考えていくことが重要である。
(佐藤)自衛官時代に自民党は何していると思ったこともある。政権交代で昔の自民党はダメ、今の民主党では無理といわれたが、ダメと無理が喧嘩してもしょうがない。変えるべきものは変えるべき。武器輸出3原則や「駆けつけ警護」、「集団的自衛権」の問題を大いに取り組んでもらいたい。民主党政権にお願いしたいことは自衛官には誇りとい名誉が基本にあるので、ここを踏みにじらない。自衛官の数や給与を減らす法案は士気に影響する。財務省が強くなっているが、人件費抑制ばかり考えている。自衛官はお金ではなく名誉である。ここを大切にしてもらいたい。
(神風)ダメと無理と言われたが、民主党は多くの考え方の議員で構成されており、確かに難しい面もある。自分は当選して8年目になっているが安全保障問題に関して民主党内でも中身は変わってきている。また民主党にも外交・防衛に関し、自民以上の人材もいると思う。皆さんが思っている以上にハードルは低くなっていると思う。
(司会)民主党が政権与党を担うようになって一番変わったのは外交・防衛問題についての責任の意識だと思う。民主党と自民党がより共通の問題意識をもって今までできなかった問題にも取り組んでもらいたい。
◇テーマ2:日本人の防衛意識を高めるためには
(木元)平和で豊かで安全な社会を守るためには自分たちが何をすべきかを問い、そこから自衛隊への認識もしていく。国民として応分の負担をしなければならない。平和の理念を持つなら自分のことは自分で守ることが大切、その中から自分に何ができるかを考えること、そこが原点である。それを自分の暮らしの中で見つめていく。
(司会)国民に対し、限られた財源の中で社会保障と安全保障の配分をどの様に国民に訴えていくかについて問う。
(佐藤)社会保障費と防衛費では既に額で比較にならない。社会保障がすでに優先されている。国民の意識を越える防衛力はつくれない。政治が防衛力を決める。しかし防衛に関する国民意識は低いまま、これは政治家の責任である。選挙の講演会では雇用・年金・介護・子育てについて関心が高いが、安全保障は優先順位が落ちる。国防は政治家が責任をもって国民に説明すべき。学校での教育に問題がある。特に歴史教育では近代史を教えていない。韓国では歴史を近代史から教える。歴史教育からしっかりと自衛隊の存在まで教えるべき。
(植木)今日の戦争の認識は変わった。大規模な戦争は兵器の発展から共に生き残れない。核兵器がそうであり、そこから抑止の考えが生まれた。今は国際テロの抑止や予防が大切になった。日本の安全は壁をつくることだけでは守ることができない。世界をどのように平和な社会にしていくかを考える。その中で自衛隊の役割も考えることである。そこを国民全体で考えることが大切。どのような世界を子供たちに残したいかを考えるべき。
(木元)自分の国がどの様な方向に進んでいるか、一人一人がどのように世界を考えているかを先ず見つめる必要がある。今の日本に何が欠けているのか。また自分たちの声が政治に反映されているのかを見つめながら、国の方向は政治に流されていないかをしっかりと見つめたい。その気になれば世界が見える。自衛隊が国際貢献で如何に世界に貢献しているかが見えてくるはず。その様なことを話題にしながら活動をしていきたい。
(司会)南スーダンへのPKO派遣が話題となっているが、自衛隊の国際貢献活動が地域の平和に貢献しているが、これが日本を守ることや国民の暮らしや安全を如何につながるかの説明はまだまだ不十分と思うが、どの様に国民へ説明するか。
(神風)世界の安全が国の安全に如何つながるかの説明は難しい。防衛意識を高めることは頭で理解することは難しい。米国でノリエガ将軍を逮捕するため米国がパナマ侵攻をした場面を米国で体験した。この国が戦争をすることを実感した。米国は2年に一度は紛争に関係している。しかし日本は深海の魚のようで水の中に住んでいることを忘れている。時々深海から水の外へ出ると水の有り難さが解る。教育にも問題があるがマスコミにも問題がある。パナマ侵攻時にNHKニュースのトップは矢が刺さった鴨を助けるニュースであった。日本では国際的なニュースが少なく、防衛意識を持つ環境にない。国防意識はある意味直観的に、または本能的に感じるものではないかと思う。
(司会)マスコミの報道に関しては同感である。国際的ニュースは少ない。何故かと問えば、「お客がついてこない」で片づけられてしまう。
(木元)NHKでは先般の「米国が豪州に軍駐留」のニュースがトップにならなかったか。
(司会)ならなかった。まだトップニュースには早いとの意見が多かった。
(佐藤)痛い目に遭わないと人間は気付かない。危機管理が大切である。国防は最大の福祉である。日本では「憂いなくて備えなし」になっている。日本は憂いていない。領土問題は国民に訴えられる良い切り口である。先般ソウルへ行った。韓国の空港で天気予報を見たが竹島の天気予報をしていた。日本でも領土問題となっている地域の天気予報をすべき。高校生に領土問題の調査をしたら400名中7名しか正解がなかった。教育で主権領土を教えているが領土を守ることを教えるべき。
(植木)米国人も一般の人は国際問題に関心がないし、海外旅行もしていない人は多い。しかし責任ある一定以上の人々は常に世界を見て米国との関係を考えている。そこは日本と違う。日本が豊かで力のある国であることに日本人の意識がなさすぎる。諸外国の軍人を招き意見交換したが、小さな国にとって国連は国の利益を代表もしてくれず、同盟を結ぶ国もないと嘆く。日本には大きな期待を寄せられる。こうしてみると日本は本当に豊かな国であり影響力が大きな国であることを自覚する必要がある。年金問題など財政的な問題や多くの災害等の問題もあるが、一方で円高が進んでいる。欧州もグチャグチャだし、米国も世界を支えていると言っているが、その力は着実に低下している。 相対的に日本は元気だと評価されているから円高になっている。まだまだ日本は世界で多くのことができる。新しい「防衛大綱」では安全保障に三つの目的を掲げました。「自分の国の防衛」はこれまで通りしっかり実行していく。また「地域の安定化」「国際社会の安定化」に貢献していく。今回初めて地域での安定化にも貢献するとした。米国からも日本が地域でリーダーシップをとり、日本の周りを安全にしていくことを期待されている。想像力を働かせ日本が立派で強い国であることを考えるしかない。
(司会)防衛意識を高めるため、テーマを「尖閣防衛問題」に絞って聞いてみたい。民主党政権の尖閣での漁船衝突事件の政府の処理は良くなかったと思うが、尖閣をめぐる問題について基本的な対応について考えは如何。
(神風)もともとケ小平が副主席時代から尖閣の問題は棚上げにしていた。次の世代に解決する問題とし相互に棚上げ状態で暗黙の了解があった。日本も受けいれていた。自民党もヘリポート設置案を止めていた。お互いに事無かれ主義だった。今回、日本が強硬なので中国がこれはではまずいと考えて態度を固くし強硬な姿勢となった。それに対し日本政府が慌てて不手際な対応をしたのが実態である。早い段階できちんとした対応をするべきだった。そのつけが廻ってきた。
(佐藤)自民党は現在、外交を担当していない。民主党の外交は見ての通り。自民党もこれまで主権の問題をないがしろにし、戦後処理をしてこなかったので領土問題も曖昧にしてきた。北方領土問題はロシアに強く対応している。北方領土の日は政府が決めた日であるが、竹島の日は島根県が決めた日である。政府関係者は誰も出席しない。今、野党になって自民党内に領土特命委員会を設けている。領土問題に関する委員会が国会にないのはおかしい。尖閣問題は今は本当に危なので超党派で対応すべき時期と思う。
(木元)日本には世界に対し強く発信する機能がないことにもどかしさを感じる。マスコミだけが取り上げ、私たち個人は何もできないが、世界に対し強くメッセージを送る強さが必要。戦前は「銃後の守り」があった。領土問題では強く出ないといけない。故人の上坂冬子さんは病床でも憤懣やるかたない思いでおられた。個人的にどう発散すべきか解らないが、皆さんとともにここからでも発信しましょう。何か行動を起こしたい。
(司会)中国問題をどう見るか。また領土問題は戦争や紛争の原因となるがこの処理をどう考えるか。
(植木)中国は非常に不透明な国です。中国人も自分の国が解っていない。この国がどこへ行くか不透明、良い方へ行く可能性も悪い方向へ向かう可能性もある。良い方向へどのように向かわせるかが問題。領土問題では海を担当する軍や警察ばかりか、多くの機関や組織が存在するが、相互に連携しているかいないのかも解らない。中央のコントロールが及んでいない。専門家でも解っていない。中国は期待しつつ警戒することが肝要。何が大切でどう守るかを考えないといけない。当面の問題と長期的な問題が混在する。韓国の場合、領土問題もあるが、当面は北朝鮮の問題もある。どのように米国や韓国と連携してこの問題に対処するかが重要。個々の問題では処理できない。正面がどこかを見据えて対処することが問われる。
(司会)多角的な意見を頂いた。こうした問題の解決方向を示していくのが政治の責任である。政権与党だけでなく政権交代の時代に健全野党のこうした努力が次の時代を良くする。
◇テーマ3:防衛問題と女性の視点
(司会)次の時代を良くするための女性が担う役割は何か。防衛問題と女性の視点について問う。
(神風)自分は元々航空自衛隊でF15のパイロットを目指したが、視力が悪く政治家になった。防衛省内で女性自衛官と懇談する機会があった。自衛隊にも女性に向いた業種(職務)も結構あることを知った。情報関係に関する職務、インテリジェンス即ち情報を分析して加工を加えるような仕事は女性が得意とする。安全保障や国際関係を研究している女性も多い。その傾向は益々強くなっている。
(神風)女性自衛官の数は1万3000人で自衛官の約5.5%であるが、米軍に比較すればまだまだ少ない。米軍には女性の軍人が14%いる。防衛大学へも平成4年から女性も入学できるようになった。この頃より女性の意識は変った。昔はセクハラで苦労された女性も多いと聞いたが、30代半より若い女性はほとんどその様な経験はない。男性自衛官の意識も変わっている。
(佐藤)設問自体に違和感がある。今はその様な時代ではない。女性が先頭に立ってリードする時代である。自民党の総裁が女性でもよい。女性でも能力がある人が引っぱれば良い。防衛大学の学生隊学生長も女性がやっている。適材適所でやれば良い。
(木元)戦前でも銃後の守りと言う言葉があったが、役割こそ異なっていたが女性も男性と対等に戦っていた。防空壕も掘るし、工場でも働いた。戦争そのものには看護婦さん以外は行けなかった。佐藤議員の意見に大賛成です。情報の話があったが、サイバー攻撃に対する守りも女性が頑張っている。愛国心は男性や女性、老人若者限らず持っている。その気持ちをどのように出せるかが大切、自分の愛国心の示し方をどんどん言っていくべき。
(司会)女性の社会参画拡大の潮流と無縁ではないが、その視点では如何。
(植木)同感である。いろんなことに女性が参画していくべき、男女の差はそんなにない。只、女性の強い分野がある。私は子供を二人産んでから安全保障を学びたくて米国マサチューセッツ工科大学へ留学した。女性は自分一人で他は皆米国軍人だった。話題は軍事の話ばかりであったが、その時に思ったことは母親として子供を守りたいと思ったが社会の流れで守れない場合、究極的には平和とか戦争とかの問題にどう対処すべきかを考えるしかなく、この道を勉強しようと思った。子供を守るとか命を守る分野は女性が強い分野である。最終防衛ラインのようなものが女性にはあり、安全保障問題は女性に最も適している。
◇ 会場質疑応答等:
(会場)福岡の濱田です。今後の防衛協会女性部会の活動にどのようなことを期待されるのか。
( 木元)自分たちに何ができるかを一人一人が問いかける。その心構えを何人かで話し合い、固まったものを部会にぶつけてみる。そこから始めるべき。何かがあって上から降りてくるのではなく。下から持ち上がってきた問題を大切に育てていく方向が良い。
(植木)女性には生活者の視点がある。その視点で議論を活発にできる。家族が海外旅行で無事に帰れること、スーパーで世界の食品が手に入ることも世界が平和でなければならない。生活者の目線で疑問をもって活動されることを期待する。
(会場)岡山の三宅です。最近の日米信頼関係は薄れている。今後この関係を回復するための方向は如何。
(神風)鳩山政権、菅政権ではその傾向があった。野田政権では日米関係を強める動きになっている。先般の10月には新しくなったパネッタ国防大臣が来られた。会談で、米国はこれまではアフガン・イラク等の中東方面での活動が重点であったが、中国の問題もありこれからはアジア太平洋を重視していくと力強く述べた。こうした関係を着実に積み上げていくことである。
(佐藤)日本の役割を果たすこと。同盟では三つの共有が大事と言われている。「価値観の共有」「負担の共有」「リスクの共有」、今やっていないのは「リスクの共有」を一番していない。集団的自衛権の問題をできるようにするだけでも日米関係は各段に改善される。
防衛協会女性部に期待するもので「教育の問題」に拘って取り上げて頂きたい。皆さんは学校に近い関係があり、自衛隊の活動についての講話をセットしたりして自衛隊を学校に近づける努力をして頂きたい。自衛隊の地方協力本部より皆さんの方が学校とのチャンネルは強い。新任教員は教壇に立つ前に1年間自衛隊に勤務してから立つようにしたら良い。自衛官が学校で話をする機会をつくってもらえれば有り難い。
(神風)女性部の活動に関係するか否か解らないが、女性自衛官は子育てで苦労している。幹部になると子育てには苦労が多い。防衛省でも託児所の設置を進めているが、皆さんにその面でのアフターケア―等の面倒を頂ければ良い。
(会場)山形の鈴木です。私は民生指導員もしている。子供との関係について、山形のことを紹介します。福島県から沢山の子供さん、小学生と幼児をもったお母さんが来ている。旦那さんは単身で福島におられる方たちの支援をしている。アパートで子育てサロンにお誘いしている。子供の命を守ることは戦前も今も変わらない。今、自衛隊の災害派遣現場を民生委員にDVD等で見せている。自衛隊の存在が近くなっている。民生指導員の仕事は子供に山形で楽しく過ごしてもらい、命の大切さを知ってもらうことと認識して活動中であり、報告とさせて頂く。
(司会)不幸な原発事故のフォローをして頂いている最たるものである。国を守る暮らしを守る原点である。
(木元)本当に有り難いことである。また、何故このようなことになったかも共有しなければならない。日本国民として、この様な方々をどの様に見つめサポートするかも共有したい。個人としても悩む、支援に行くべきかお金の支援をするか迷う。自分も被災地へ行ったが、何かはできる。
(佐藤)福島では自主避難者が多い。子供のケア―、親を亡くした子供も多い。子供を探す親の姿、兄弟を探す子供を見た。瓦礫の中を捜す10歳ぐらいの少女に「何か困っていること、欲しいものはないか」と訊ねたら「お母さんが欲しい」と言われ、しばらく茫然とした。親を亡くした子供のケア―を宜しくお願いする。
(木元)昔は浮浪児が多かった。当時自分のカバンを見てお弁当を欲しがった子がいた。そんなに苦しい時代から頑張って今日ここまで来た。そのエネルギーあれば大丈夫である。
(司会)結論コメントをお願いする。
(佐藤)東日本大震災は日本人の意識を大きく変えた。災害の経験は風化しやすい。被災地以外では既にTPP等の他の話題になっている。安全が大切であること風化しないよう今後も発信していく。防衛大学の学生に対する当時の吉田総理の言葉が自衛隊の指揮所にあった。「自衛官が誹謗中傷はされても、感謝されることはないかも知れない」国家が困難に直面している時だけ感謝される。そのことを根底に国防を中心として今後も自衛隊が愚直に活動していることを発信して頂きたい。自衛隊の名誉と誇りを守るため頑張りたい。
(神風)自分の面倒は自分で見る発言があった。防衛はある意味自己責任が前提である。日本人と米国人の自己責任は意味が違う。開戦前のイラクに人質になった人の話で、人質はリスクを考えて行った人であり自己責任であり犠牲になっても止むお得ないと米国人に言われた。米国人がこれを是とするのは6割に達する。日本人がそこまでの意識でできるか疑問であるが、この感覚が国防意識であり防衛意識である。今後も防衛省で頑張っていきたい。
(木元)内閣府の世論調査で防衛・自衛隊に関心がないと答えたのは男性より女性が圧倒的に多い。何故だろう、私に関係がないから、よく解らないからと答えている。日常の感覚で防衛を考えるようにしたい。何でも話し合える場を広げていきたい。平和でありたいと思うならば平和は何で守られるかを考えるべき、無防備で平和はあり得ない。
(植木)日本は岐路にある。このままの道を進むのか、大きく転換すべきかを国民が考えなければならない。平和憲法はいまのままで良いのか、齟齬がでているのも事実、「日本が築きたい世界」を造れるか疑問、自衛官は国民の代表であり、自衛官を海外に派遣する時は一番安全な形で、いろいろな権利を持たせ送り出すべき。そうなっていないことが問題である。日米関係について米国人から「日本人のaskが解らない」と言われる。askが解れば自分達ができるかできないかを言えるが、日本人がどの様な世界を造りたいのかはっきりしないからである。世界は岐路にある。米国の国力が以前より落ちてきている。中国やインドが伸びたからではない。米国自身がその様な気持ちで、しかも内向きになっている。支えることができるのは欧州や日本である。日本が担うことは大きい。これから日本がどのような世界を造るかである。これから日本は皆で頑張らなければならない。
(司会)政権交代の時代であり、政治家にお任せしているだけではダメである。政治の世界にしっかりと注文を付け、先ほどの「ask」ではないが地域の中で厳しい声や意見を集め発信していく、そのような皆様の組織での活動に期待する。
(以上)
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